毛周期と毛の構造

毛の詳しい構造を図解します

薄毛のメカニズム

メカニズム

毛乳頭細胞の受容体(レセプター)が攻撃を受けて、毛母細胞の増殖が抑えられてしまうため、毛球部分が退縮して脱毛してしまう。
レセプターの数は遺伝要素のある人ほど多いため、血縁に薄毛の人がいると薄毛になりやすい。

脱毛症の抜け毛

正常な毛周期だと細くて長い抜け毛となりますが、脱毛症の場合は成長期早期〜中期の毛球部分の小さい「短く細かい毛」が多く抜けます。同じ攻撃を受けた場合、毛根のしっかりした成長期後期の「太くて長い毛」は抜けにくいからです。

地肌部分の拡大

正常な毛周期の抜け毛のあとには、次の毛髪が成長してきていますので地肌になることはありません。
しかし脱毛症の場合、成長期の途中で抜けるため、まだ毛母細胞から「次の毛髪」が出来ていません。また休止期で停滞するため、次の毛がなかなか生えて来ないので、次の毛が生えるまで地肌ということになってしまうのです。
更に悪いことに「次の毛髪」が生えてきても、成長期途中でまた抜けてしまうので、ますます地肌の部分が拡大していくことになるのです。
だから、AGAの最終形は「波平」ということになってしまいます。

薄毛の毛髪

毛の長さと太さは成長期の長さで決まります。
脱毛症は成長期が短く、成長期の後期まで生え続けた髪でもずっと攻撃を受け続けているので「細くて柔らかい毛髪」となってしまいます。
そのため毛が生えていても、だんだん地肌が透けてきてしまうのです。

毛周期と薬

1. プロペシア、ザガーロ

AGAは男性ホルモンが5αリダクターゼと結合して「悪玉男性ホルモン」(DHT:ジヒドロテストステロン)となって毛乳頭細胞の受容体を攻撃し、脱毛因子を増やし、毛母細胞の分裂を抑えてしまうので成長期を短縮して抜け毛を増やします
DHTの攻撃をブロックするのが「プロペシア、ザガーロ」の抗男性ホルモン薬で、効果があれば正常の毛周期になるので、発毛した毛が抜けずに長く太い毛となって生えてきます。
しかし坂道に止めてある車の輪止めのようなイメージですので、やめてしまうと再びDHTの攻撃を受けますので、再び脱毛が始まり「浦島太郎の玉手箱」のように元に戻ってしまいます。

2. ミノキシジル

ミノキシジルは毛組織への血流を改善する薬なので、栄養・酸素・ミネラルが多く運ばれてくるので、毛髪の発育が良くなり(育毛作用)「成長期が長くなって」攻撃を受けても長く太い毛に成長します。
また休止期で停滞していた成長期の開始も早まり、発毛しやすくなります。

しかし、やめてしまうと栄養などが急激に減るため、毛球が小さくなり成長期が短くなって退行期へ移行しやすくなるので、攻撃により抜けやすい毛となって、1年程で元に戻ってしまいます。